稽古場レポート第六回 – 11月12日

投稿者: dcpop13aqua

『アクアリウム』の稽古場レポート、第六回をお届けします。

月曜日に一日の稽古オフをはさんでの、稽古六日目。中村梨那さんだけは遅れて到着予定でしたが、谷演出も復帰しての座組全員がそろった一日。冒頭、谷演出からあらためて現状の説明がありました。一昨々日、それまでに出したテキストを全没にするという結論に至り、新しくプロットを組み立てることに決めたこと。昨日の朝までで、その第二稿を12、13頁ほど書き進められたこと。だけれどまたその第二稿を全部ブン投げて、昨日の夜から今日の朝までで第一稿の改稿をずっとやりつづけていたということ。谷演出曰く、「やっぱこっち(第一稿)で行けるんじゃないかな……と思うので、今日もう一回トライしてみたい」。

そうして改稿されて新たに提示された台本は、おそらく、谷演出のなかでどうしても外せない要素を残しつつ、技巧的な部分を削ぎ落とし、よりシンプルに異質的・対比的効果を見えやすくした、というふう。ひとことで言えば、バロック。人によっては単なるブラッシュアップととるかもしれないが、どちらかと言うと、モティーフのレベルでの更新を含む大胆な変更のように思います。第一稿に戻ったというよりは、第一・五稿と言う方がふさわしいかも。つまりは安易ではない、もう一度イチからスタートするくらいに挑戦的な努力を必要とした「改稿」だったろうということです。

それでも、もとの第一稿があるだけに、十分な稽古ができるだけの台本(14頁)が今日は上がってきました。なので「空間歩き」(いずれ写真つきで解説します)のウォーミング・アップの後、さっそく読み合わせの稽古を行なった。そのなかで谷演出から次のような印象的な発言が飛び出します。「この作品で、観に来てくれたひとに『演劇ってこんな可能性もあんな可能性もあるんだ』、『演劇にはこういうこともできて、こんな多様性があるんだ』って感じさせたい。だからチャプター毎のトーンを研ぎ澄ましていこう」。

その言葉どおり、今日は改稿前の第一稿による読み合わせのときよりも、さらにさらに精度の細かい返し稽古がつづきます。ときには、どれだけ「間」を置くかをグルーヴで理解させるために、谷演出みずから「間」が終わるタイミングでキューを出すという指導まで行なわれた。ほんのちょっと出を遅らせたり、言葉のキャッチボールを少しズラすだけで、シーンのトーンがかなり変わってしまう。そのことを如実に実感しながら、わずかなタイミングの相違に意識を割きつつ、そのチャプター毎のイメージを段々と共有していく役者の方々。……

一度は窮地に立ったかと思われたものの、何とかふたたび進み始めた『アクアリウム』上演への歩み。次回のレポートにつづく!

【今日の一枚】
稽古場復帰した谷演出。返し稽古の後には、積極的に俳優たちに質疑応答をうながします。「多めに質問とか意見とか言ってほしいと思います。イメージのフォーカスを早目に共有したい。間違った方向に努力してもらってもしょうがないので」。すでに前のめり気味の熱を帯びている稽古時間。それくらいでないと間に合わないか。
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