稽古場レポート第八回 – 11月16日

投稿者: dcpop13aqua

『アクアリウム』の稽古場レポート、第八回をお届けします。
(本日『アクアリウム』についての新たな情報も公開されたのでそちらもチェックしてくださいね! →『アクアリウム』情報公開第2段!! http://ow.ly/qTVvC

16日の土曜には、谷演出がさらに書き進めた原稿を持って登場。そのできたばかりの部分を三度ほど読んでニュアンスを試したあと、原稿を頭から読み合わせていきました。

谷演出が言うには、今日書いてきた部分でおおよそ『アクアリウム』の全体像は見えてきたはず、とのこと。戯曲というのは展開的に開いていく時間と閉じていく時間があって、『アクアリウム』は、ここまで書いてきたものにプラスであともう少しだけ開くけれど、あとは閉じていくだけなので、作品の射程は今日までで読み合わせした部分にほぼ含まれている。だから先が分からないからイメージできないということももうほとんどないはず。今後は演出家(作家)と俳優とで互いのイメージを狭めていって、互いのなかで正しいイメージを結べるよう努力していくことになる──。

……とはいえ、傍からの見学者の目で見ると、この時点ではまだまだ谷演出が持っている確たるイメージと、俳優陣が抱いているイメージとのズレ、差異、その乖離が大きいことに驚きます。無論俳優の方々も無考えにやっているのではない。科白をちゃんと入れた上で、色々試行錯誤して演技のなかで実践しているのですが、むしろ「不安が良く見える。見え過ぎで、なるべく逆をとって、全然動揺が見えなくてもいいくらい。」「すごい一生懸命やってくれているけど、ちょっと変な力み方になっている。」……といったダメ出しが出たりもする。

ダメ出しについては、9日にあった演技レクチャーでも言及がありました。演出が抱いているイメージがひとつの円だとして、俳優が(テイク毎に)演技として表わすものもひとつの円だとして、その二つの円は、重なり合う部分もあれば重ならない部分もある。その場合、演出家のコメントの仕方としては、重なっている部分について「ここ良かったよ!」と言うか、重なっていない部分について「そうじゃないんだよねー」とバツを付けるか、の二種類。で、後者のケースで問題なのは、稽古が進んでバツが増えていくにつれてそれが俳優にとって重荷になってしまうこと。「自由にやって」と言われても、「でも大きな声出すなって言われたんで」「もっと待ってと言われたんで」と自縄自縛の状態で苦しんでしまう。でも、俳優の姿勢としては、とにかく解釈が合って「良かった」と言われたところをひたすら追求しつづけるしかないだろう……それに、イメージの芯さえ捉えられていれば、あとは円が多少はみ出ようが小さかろうがどうでもいいはずなのだ……ということを、谷演出は講義していた。

この日もだから、単に「……しない」というダメ出しをするだけでなく、「ここは良かった」「ここの部分では良く出来ているので、その感じをこちらでも出せれば」といったマイルドなコメントも丁寧に出されました。しかし、稽古時間の残りにそれほど余裕がないことも事実。なので、稽古中に谷演出からこんな発言も飛び出します。

「おそらく今の執筆ペースだと、火曜日には脱稿できるんじゃないかなと思います。そうなるとあとは稽古稽古ですが、今回は時間の問題もあり、『よし。じゃもう一度やってみようか!』というやり方ではできそうにない部分もあるので……相当乱暴な稽古の付け方をします。演劇悪魔と呼ばれる所以の稽古を久々にやることになりそうです。」

やべええええええええええええええええええええええ。来週には待望の演劇悪魔降臨祭来るか。戦々兢々とそのときを待ちたいと思います。次回のレポートにつづく!

【今日の一枚+α】
今回は少し趣向を変えて。演出助手の元田暁子さんと、劇団員の塚越健一さん。塚越さんは今作には出演しませんが、稽古場に通って演出家や役者を補佐する仕事をさまざま担っています。つい先日ご生誕日を迎えられたそうで。おめでとうございます。
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もう一枚。「ダメ取り」中の元田さん。できるだけ止めずに流れで見るというかたちの稽古では、役者に演技をつづけさせながら、谷演出は、このようにダメ出しを元田さんにつぶやいて書き取らせていきます。そして演技中断後のダメ出しタイムでも、主に元田さんが発言する。谷演出の演劇言語を高いレベルで理解している元田さんだからこそできることでしょうか。
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