INTERVIEW – 東谷英人さん

投稿者: dcpop13aqua

つづいての『アクアリウム』出演者インタビューは、DULL-COLORED POP劇団員、実直な熱意で稽古場の空気を引っ張っていく、気さくな体当たり俳優、東谷英人(あずまや・えいと)さんです!

────劇団員の方へのインタビューは、客演の方とは切り口を変えて、今現在語りたいトピックをそちらから出してもらって、それについて掘りさげるというかたちにしています。東谷さんのトピックは、「喋ること」。たとえばこれは、東谷さんが『ゲスバカ天国』( http://ow.ly/r4MAO )というポッドキャストをやってらっしゃるのと関係することでしょうか?
東谷 いや、それはまったく関係ないわけじゃないですけど、今とくに考えていることっていうのは……最近世の中があまり「喋る」ことなしに生きて行けるようになっているな、ってことです。極端な話、インターネットがあれば、買物なんかは大抵ネットの手続きで済ませられる。それに普段の生活でも、かなり能動的に行動しないと、あまり人と関わることなしに、人と喋ることなしに過ぎてしまう。でもそういう状況に対して、今の自分としては、ポッドキャストをやったりすることもそうですけど、もっともっと喋っていきたいなと思っているんです。

────その喋るっていうのには、舞台上で台本の科白を発語することも含まれるのでしょうか。
東谷 ええ。舞台上で喋るっていうのも、ただ科白を口にすればいいということではないですから。もちろん台本の言葉を喋っているんですが、それを覚えて口にするだけなら誰にでもできるわけで、自分の言う言葉を、それを自分が言う根拠は何か、とか、どういうふうに言うのか、とかを考えてはじめて役者として「喋る」ことが成立する。

────では、演劇においてや、ポッドキャストにおいて以外の領域で、東谷さんは今どのように能動的に「喋る」ことを実践されているのでしょうか。
東谷 そうですね……たとえばの話ですが、短期のアルバイトをしてみて、まったく演劇とは関係ない人と職場を共にして、そこで本来の自分とは全然違うふうな態度を敢えてやってみたりとか、実験しています。俺普段だったらこんなこと絶対言わないのにな、ってことを言ってみたりして。お世辞とか。思ってもないのに褒めてみたりとか。遠慮せずに文句言ってみたりとか。でもそれは単にわざとキャラを変えているというのではなくて、こういうことを今言ってみたらどうなるかな?とか、どういう反応として返ってくるのかな?とかを「聞く」ためにやるんですね。そうやって「喋る-聞く」のヴァリエーションを実験してみる。

────非常に面白いことをやってらっしゃると思いますが……そういう実験をして、それは最終的にどういう目的につながっていくのでしょうか?
東谷 目的っていうか……そういう実験をしてみて、分かるのは、どうとでもなるな、ってことです。或る意味自分のことがよく分からないので、自分がどういう人間なのかなっていうのを知るために実験してみるんですが、普段の自分どおり以外の自分として喋っても、意外と通用したりして、そうすると自己認識が広がっていく。……でもこれって、演劇にも通じることじゃないかって思うところもあります。つまり、そういうふうに自己認識を広げるって、演劇のワークショップとやっていることが変わらないなって。喋ることの実験をやっている、という意識を持てば、接客業をやりながらでも多くの発見がある。ムカつく客とのやり取りの中でも新鮮な面白さがある。どんな仕事でも、これは演劇のワークショップなんだなって思えば、大抵のことは興味をもってやれる。

────でも聞いていると、むしろ東谷さんが演劇人として活動していることが日常に滲み出して、喋ることの実験をやっている、というふうに思えます。つまり、東谷さんが演劇をやっているからこそ、そういうお考えを持てるのだと。
東谷 いやでも、「演劇」というよりは……自分が面白いと思う演劇っていうのは、なんか「ほんとうだな」とか「生々しいな」っていう印象を受けるものなんですね。明らかに「嘘っこ」と分かる芝居は好きじゃない。だから、自分のなかで日常的にリアルに人間観察をすることと、演劇をやることっていうのはあまり乖離していない。演劇をやっている人の誰もが、仕事を演劇ワークショップみたいに捉えられるわけではないと思います。誰もが、50代のおばちゃんの話に真面目に耳を傾けられるわけではない。でも僕は、おばちゃんの話を聞いてみて、意外と面白いなと思えるんですね。個人的な体験談とか。そんな話に関心を持てたりする自分自身も面白い。そこからさらに、このおばちゃんに好かれるためにはどうしたらいいかな、と考えてみるのも面白い。そうするとなんでもない日常が面白くなるし、生きやすくもなる。そしてそれもまた演劇にフィードバックされていくんです。それが、ここ半年ほど芝居に出ていなかった時期に考えていたことで……それをこの『アクアリウム』に応用して活かせたらいいなと思っています。

────上手いこと話をつなげていただいてありがとうございます。最後に、このインタビューを読まれるみなさまにメッセージをお願いします。
東谷 読まないでください。といっても無理か笑。おもしろいってなんでしょう。みなさんはどうですか?……新作やりますよ!ぼくらはやろうとしてる。やります。ぼくらの「おもしろい」を。ぜひ観にきて頂けたら幸いです。 

★東谷英人さんの『アクアリウム』チケット個人予約ページ(東京公演12月分のみ)
https://ticket.corich.jp/apply/51045/004/
★東谷英人さんのtwitter
https://twitter.com/azumaya8
★東谷英人さんのブログ「東谷英人ひとりかい」
http://ameblo.jp/e-az/

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