稽古場レポート第十四回 – 11月25日

投稿者: dcpop13aqua

『アクアリウム』の稽古場レポート、第十四回をお届けします。
(目下『アクアリウム』について耳寄りな情報が公開されていますので、そちらもよろしくです。 →『アクアリウム』情報公開第3段!! http://ow.ly/r7V4g

貴重な意見と反応とをワーク・イン・プログレスで得て、公演に向けて士気を高める本作の座組。小屋入り一週間前の本日は、稽古時間を目一杯つかって、上演のために必要なプロセスをがしがし消化していきます。

まずは、中盤終わりあたりから終盤入口までのシーンをしつこく返し稽古。シナリオ上、中盤においては明快な対立や感情のぶつかり合いが現われ、演劇的にストレートな面白さがありますが、そこを越えてからは一歩一歩闇のなかを進んでいくような、不穏で精妙な会話のパートがつづきます。そのパートの、まだ俳優のなかでニュアンスの決まりきっていない科白ひとつひとつを、色々試しながら修整を重ねていく谷演出。ときにはそのパートが台本構成上どうなっているかをじかに説明し(「このシーンは、結局Sが抱いているものは何なのかっていうのを全員で延々考えつづけるみたいなシーン。それぞれ考えるスタンスは違って、答えは合うことはないけれど一生懸命考えていくっていう感じ」)、ときにはニュアンスの落としどころを言語化して伝え、ときには俳優自身にその科白が出てくる動機を考えさせて、稽古のなかでシーン全体の密度を上げていく。

そうしてしばらく稽古をみっちりやって後は、衣裳担当のchie*さんが加わっての、衣裳パレード。chie*さん持参の衣裳と俳優各々が持ち寄った衣裳を組み合わせて、各登場人物数パターンある衣裳を確定させていきます。手順としては、単純に着替えた姿を谷演出に見せに行き、コメントを受け、オーケーを貰うまで着こなしを変えるということをくり返す。谷演出の頭の中のイメージに沿うように工夫しつつ、場合によっては谷演出の想像を越えてヤバいアイディアがあればそれを採用し、あるいは確定した後にももう一度別のアイディアを試し、ということを十人分てきぱきやっていきます。「セーターは止めようか」「下はグレーの方がいいかな」「地味すぎる。特にそのカーディガンが」「逆に可愛すぎる」「もうちょっといい加減でもいいと思うんだよね下のズボン」「それだとあまりに東谷自身になる」「ネクタイ真赤の方がいいんじゃない?」「胸ポケットに何か入ってるといいんだけど」「そのジャージを着ながらも可愛く見える、ってできる?」「やらかした大学生みたいな感じだといい。マフラーを変に巻いたり」「それだと普通すぎるんだよな。電車に一緒に乗っても普通に受け入れちゃうよ」等々。

そして18時30分からは、確定した衣裳を着けての、通し稽古(早替えももちろん行なう)。頭から終いまでストップなしの文字どおりの通しを行なった上で、残り一週間の稽古期間でどのパートをどの程度詰めていくか、目処をつけます。まだまだ成立していない局面についての指摘。チャプターごとのタイム感、テンポについての指示。以前ダメ出しした修整が抜けていたところは厳しくチェック。細部をもっと彫琢すべきところについては、俳優自身でも試行錯誤できるようヒントを示唆。そうやって一時間ほどダメ出しを行なった後に、『アクアリウム』という作品を、どういう芝居にしたいかという話も少し谷演出からありました。まださわりの話だけだったので詳述はしませんが、単にオーソドックスに面白いお芝居にしたいというのではないことは、確かな模様。「……そうするためにも、まだみんなに僕がどういうことをやりたいのかっていうことを、喋っていかなければならないと思います。」

この日は舞台監督の鈴木拓さん、照明の松本大介さん、美術の土岐研一さんらも通し稽古を見て、稽古場での打ち合わせも行なわれました。上演に向けてきりきりと準備が整っていきます。次回のレポートにつづく!

【今日の一枚】
衣裳パレード中のみなさま。一応これは全部没になった衣裳なので、ネタバレにはならないと思います。最初に着た衣裳で一発でオーケーが出るということはあまりありません。
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