INTERVIEW – 中林舞さん

投稿者: dcpop13aqua

つづいての『アクアリウム』出演者インタビューは、2013年のDCPOPワークショップ・オーディション(東京)に参加し今回出演となる、2012年9月に「快快」を退団して以後、フリーの役者/振付師として活動中の、中林舞(なかばやし・まい)さんです!

────中林さんは4歳〜18歳までクラシック・バレエをやってらして、多摩美術大学在学中に「快快(ex.小指値)」を立ち上げ中核メンバーとして活動。2012年に「快快」を退団して以後はフリーの役者になり、同時並行で振付師としての仕事も精力的にやってらっしゃるという……非常に特異な経歴をお持ちだと思うのですが、まずは「快快」退団前後のことを語っていただけるでしょうか。
中林 「快快」を退団した理由というのはいくつかありまして、、
 一つは「快快」っていうのは近年海外公演が多い団体になってきていたんですが、逆に、私は近年になって日本で舞台の仕事をしたいと思うようになってきて、興味のある演出家の方や、俳優さんと巡り会う中で、そういう方々とお仕事をしたいという願望が自分のなかで芽生えたときに、海外公演で長く拘束されてしまうということが、ネックになったんです。
 自分が興味を持っている方々と仕事できるチャンス が、海外に居て流れてしまった時に、自分は本当はどうしたいのかっていうのをよく考えて……やはり私は日本で仕事をやっていきたいし、日本で興味ある方々とどんどん仕事して行きたい。という答えが一つでました。
 また、演出の篠田千明が退団するというのも一つありました。
 それから、「快快」の知名度が自分の名前以上に上がっていく中で、自分が無意識にそれに頼りがちになっているなという危機感もあり。
 ここは一つ武者修行的な意味でも、「快快」を離れて自立した方がいいと考えたんです。
 元々、0か100かという極端な考え方をする方なので、籍を残すのではなく、一旦離れることにしました。

────今のお話だと、中林さんのなかで本格的に役者をやっていきたいという想いが「快快」の志向とズレてきた、というより、この人とやりたい、あの人ともやりたい、という願望が「快快」に居ては実現できないから、つまり人との出会いや縁を大事にしたいから「快快」の活動から離れたというふうに解釈できそうですが……そういうことでしょうか?
中林 いや、実現できない、ことはないと思いますけど、やはり極端な性格なので、、
 もちろん人との出会いっていうのも大きいんですが……
 さっき、武者修行と言いましたけれど、自立してやっていくための力量をつけたいということ。その想いも大きいんです。
 それはもともと「快快」の理念でもあったと思う。「快快」っていうのはちょっとカテゴライズしにくい集団で、ダンスする集団とか、演劇集団とか、アート集団とか、さまざまな捉えられ方をされるところがあり、実際色々な思考をもったメンバーで構成されていて、そこが一つの魅力だと思うのですが。
 だからこそ、そこからそれぞれのメンバーが自立していくってことまで含めての「快快」であるという考えも一つあり。私自身も、一人の自立した、一人でやっていける人物になるべきだ、という想いは、最初から強くありました。

────その、一人の自立したプロフェッショナルになるというとき、選択肢は色々あると思うんですが、とくに中林さんの場合は役者を志したというのは、どういった動機でしょうか。たとえば18歳までクラシック・バレエをやり、大学に入ってからは「小指値」を立ち上げ……という過程のなかにすでに役者への興味が芽生えていたんでしょうか。
中林 ちょっと話が前後してしまいますが、大学に入学したときは、クラシック・バレエについてすごい挫折を経験した直後で、もうダメだな、っていうことでどこでもいいから大学に入ろうって感じで、かなりの急転で大学受験を決めて。舞台とか踊りとかをこの先やっていくだろうという気持は、まったくなかった。でもその大学生活のなかで、現「快快」のメンバーと知り合って、一緒に作品をつくっていくなかで、「演劇」というメディアを選んだという流れです。ほんとなし崩しに演劇というメディアに足を突っ込んだという感じで。
 でも、芝居を愛してる様々な方に出会ったり、素敵な先輩方と舞台を踏ませて頂いたりしていく中で、役者っていうのはほんとうに面白い仕事なんだということを実感していきました。

────そして、中林さんがその、役者としてやっていきたいという意志を強くしていく過程のなかで、谷賢一さんの作品との出会いも、あったわけですね。
中林 谷さんの作品を観たのは『ヌード・マウス』(2012年)が初めてです。
 ヌード・マウスは、凄く新感覚でした。
 演出が個性的とか、役者さんが吐く科白のなかに作家さんの哲学や、生き方みたいなのが感じられて、それが役とシンクロしてすごく感動するとかとは、もうちょっとちがって……
 なんて言うんでしょう……目の前で役者さんが芝居しているものの上に、もう一層レイヤーがあって、そこにタイトルロールのように大量の文献の細かい文字が上から下へバーッと流れていく、みたいな印象を受けて……錯覚なんですけど。役者さんの科白以外に、その科白の背景にあるものすごい文献的な蓄積が字面で見えてくるような、そんな印象がすごくあって、なんかこういうタイプのお芝居を私はあまり観たことないな、と感じて、興味を持ちました。言わば、文字とか言葉とかに重点がすごく置かれているということだと思うんですけど、谷さんの作品っていうのは。

────それで今年の夏に、DCPOPのワークショップ・オーディションを受けられた。
中林 そうです、放っておくと、今までの自分の活動範囲では谷さんとはお会いすることがなさそうだったので、ワークショップを受けようと思いました。実際、『ヌード・マウス』以後も、谷さんとは全然縁がなくて。
 それだから、ワークショップは受けましたけど、出演オファーがこんなに早く来るとは思っていなかった。出会った以上は、いつかはご一緒したいとは考えていましたけど、こんなにすぐにとは思ってませんでした。

────今回、中林さんとしても今まであまり演じられたことのない役を振られていると思うのですが、どういう課題をもって本作『アクアリウム』に臨んでおられるでしょうか。
中林 『アクアリウム』、台本を読むだけでも面白いですよね。面白いので、その文字情報の段階で面白いものを、じゃあ自分がやるってなったときに……その作品の強さに対して、今までの自分のさまざまなものを総動員させて、負けないものを出していかないと、これはもう、惨敗だぞ!……という想いでやっています。

────では最後に、このインタビューを読まれるみなさまにメッセージをお願いします。
中林 魅力的な作品だなあ。と台本を読み演出を受け日々感じてます。
 いつものことながら、、
 その感じているものを、丁寧に全力で体現していきたいと思います。
 劇場でお待ちしてます。ぜひ。

★中林舞さんの『アクアリウム』チケット個人予約ページ(東京公演12月分のみ)
https://ticket.corich.jp/apply/51045/011/
★中林舞さんのtwitter
https://twitter.com/Yasihamaru
★中林舞さんのブログ「役者/振付師 中林舞の活動記録」
http://ameblo.jp/yasihamaru/

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