イベントレポート – 一色洋平WS「体の把握とメンテナンス」(12/27)

投稿者: dcpop13aqua

(掲載写真のなかで舞台セットに関する軽いネタバレを含みます)

「意識が意識に対して直接問いたずねることは、また精神のあらゆる自己反省は、危険なことである……それゆえ私たちは身体に問いたずねる。」(或る哲学者)

さて今回は、先日シアター風姿花伝にて『アクアリウム』上演後に行なわれた一色洋平さんのワークショップ、「体の把握とメンテナンス」をレポート致します。とはいえ、専門のトレーナーである一色さんが教授することは本来有償であるべきものなので、内容を詳しくお伝えすることはできません。冒頭、今回のワークショップでは、「万人とって面白い知識を、種まきみたいにばぁーーっと蒔いて持ち帰ってもらうつもり」という説明がありました。そして実際そのとおりの情報密度の高いワークショップでしたけれど、その知識一つ一つをここで書くことは、しません。アウトラインを示せるのみです。そのアウトラインを読んだだけでも興味をそそられたという方は、是非、一色さんのパーソナルトレーニングを受講してみてくださいね。詳細は一色洋平さんのブログのトップ記事に記載されています。

事前に公表されていたプログラムはこんな感じでした。

■座学(知識の伝達、間違った身体知識の訂正)
■自分の体の歪みを知ろう
■自分一人でどこでもできる、体のメンテナンス運動
■お客さまのご希望に沿い、体幹/ダイエットなどのトレーニング運動
■未開発の腹筋「深腹筋(しんふっきん)」を開拓しよう

そして、おおむねこのプラグラムに沿った知識が次々一色さんから伝達されるという二時間弱でしたが、根本にあったのは、受講者全員に自分自身の身体を正しく把握して欲しいという情熱だと思います。ワークショップのタイトルどおりですね。そして正しい把握のためには、正しい知識が不可欠。最初の方で「市民ランナーの方がフルマラソンに参加する前にすべきウォーミング・アップっていうのは、一つだけでいいんですが、それって何でしょう?」という問いが一色さんから投げられ、受講者の何人かが答えてみたけれども、正解は出なかったということがありました。たぶん、もとから答えを知っていないかぎりほとんど正答できないと思われます。持久力を活性化させるためには端的に何が必要か? そんなことについてすらわれわれ常人は答えを知らない。それほどに身体について無知である。そしてそれ以降一色さんから教授される知識も、どれも耳新しいものばかりでした。
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基本的にワークショップ受講者の顔ぶれはアスリートではないので、何ヵ月も持続してやって効果が出るものではなく、効果の早い対処法を、肩凝りに対してはこれ、腰の歪みに対してはこれ、膝の痛みに対してはこれ、というふうにポンポン教えてもらう形で講義は進みました。それに加えて、簡単にできる整理運動、アイソメトリックトレーニング、体幹トレーニング、運動神経のトレーニングなど、誰でもパッと実践できて有効に用いることのできるトレーニング方法を、これでもかという勢いで数々教授してくれる一色さん。しかもその一つ一つについて、われわれが間違った知識を正せるように、簡潔な理論的な補足説明もなされます。たとえば、冬になって筋肉が固くなって凝りやすくなるのに対しては、ただ、●●をするだけでいい。それだけで効く。なぜなら●●の●●●作用で●●が●●するからである……みたいに。完全に二〇〇〇円でお釣りが来るレベルの情報量です。

小ネタも豊富でした。トップアスリートたちの逸話。アジア人特有の身体性について。●●●するとなぜ冷え性が治るのか。風呂場でできる簡単ダイエット。風呂場でできる簡単血流促進法。「ダイエットしたい! でも余計な筋肉は付けたくない!」というわがまま女子へのアドバイス。車に乗っていて踏切に閉じ込められたとき生き延びる方法(これはどうでもいいか……)。そんなふうな、トレーニング以外でも知っておけば何かの役に立つであろう情報が合間合間に仕込まれて、受講者としては退屈する暇がありません。ワークショップ中はつねに資料の束を持ち、演劇の余興ではあり得ない、前夜からしっかり準備してきたらしい充実した講義内容、それを可能にした一色さんの熱誠に、頭が下がります。
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さらには自ら身体もはってみせる一色さん。というのは、プログラムにもある「深腹筋」がどこにあるか実感してもらうために、舞台に横たわって受講者に自分の腹筋を触らせるという一幕があったのでした。たしかに、「深腹筋」というのはわれわれが普段知っている腹筋とは別のところにあるもので、内転筋につながっていて非常に重要な筋肉である、と説明を受けても存在を実感しにくいものです。存在が実感できなければ、トレーニング中でも意識しにくい。ならば実際自分の鍛え上げた腹筋に触れて場所をたしかめてもらえばいい。この発想がすかさず出てくるところに、身体性に根ざした一色さんの明朗さを感じます。下の写真はそうして受講者の方々に自分の腹筋を触らせている一色さんの図です。写真中、もう一人、舞台奥で腹筋を触ってほしげに横たわっている男性がおりますが、誰も触りに行かないことから、いろいろと察してください。彼の芸人根性と無視される哀しみを──。
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という次第で、おそらくは観劇したひとの三分の一ほどは参加したんじゃないか、というくらい盛況だった一色洋平さんの「体の把握とメンテナンス」ワークショップ。実は元陸上部なのでちまちまトレーニング関係の本を読んだりする筆者でも、相当勉強になりました。さらに身体について個人的な課題を持っている方なら、一色さんの聡明で機敏な指導から多くを学ぶことができると思います。では、最後にもう一度一色さんのブログ記事を紹介してこのレポートを締めます。さあ、みなさんも真摯に「身体に問いたずね」てみましょう、クリック!

【パーソナルトレーニング受講者、ワークショップ受講団体募集のお知らせ】|『いっしきにっき』
http://ameblo.jp/yohei-isshiki/entry-11684849009.html

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